業務分析
「業務分析」の目的は、無駄な作業はないか、事故につながる危険が潜んでいないか、特定の個人の能力に依存してしまっていないか、様々な視点から分析します。分析をする前に、現在の業務を明確にする必要がります。
- 業務を確認する。
- 業務の流れを紙に書く。
- 誰でも確実に業務が完了できるか確認する。
- 業務に無駄がないか確認する(省ける業務が無いか、または、2度手間になっている業務はないか)。
- 業務の目的を達成しているか確認する。
業務分析の目的
業務分析の目的は、「業務を安全かつ無駄なく行うことによって『利益を損なわない』こと」にあります。目的無く業務を確認しても無駄に終わってしまいます。また、業務分析をした結果、システム化しなくても業務効率を上げられることもあります。逆に、システムによるチェックをしないと人件費がかかりすぎてしまうこともあります。業務分析をした目的を軸に、必要があれば方針を変えることも必要です。
システム化を前提とした業務分析であれば、対象の業務だけではなく前後を含めた業務全体を分析する必要があります。仕入れ業務であれば、顧客からの注文が入り、在庫状況を確認し、不足があれば製造元に発注する。発注した商品が入庫し、在庫が補充されたのちに顧客へ出荷されていく。その後、請求を行い、製造元からは請求書が届く。一連の作業について、従業員がすべて同じ手順と認識できている。もしくは、誰が行っても同じ手順になるのであれば、この業務のどの部分をシステム化するか検討する必要があります。仕入れ先や顧客側が受発注のシステムを持っている場合は、そのシステムと連携が取れます。
この確認作業で、多くの問題が発見されるケースがあります。それは「人によって手順が違う」ということです。あってはならないことですが、社内の手順は時間がかかるので、従業員が勝手な決済で先に商品を仕入れてしまい、その後、社内で注文の手続きを取るなど、合理的ではあるが正式な手順になっていない場合、どのような対応をするか判断する必要があります。
作業手順は、長年の企業経営や業界の慣習などによって積み上げられていますが、現状に合っているのか、迅速さはあるが確実性が担保されているか。様々な視点から検証が必要です。システム化するタイミングで、社内標準となる作業手順を確立することにが重要なポイントです。
ミニ監査の実施
当社では、認証取得を目指している組織にミニ監査をお勧めしています。認証取得審査と同じ基準で組織を評価することにより、不足している考え方や業務の改善の発見につながります。このミニ監査は、認証取得だけの目的ではなく、業務システム開発時にも同様の工程があります。それは、要件定義です。システム開発、システム導入では多くの失敗例があります。それは、組織が必要としているシステムが経営層と作業現場で異なる目標になっていることから起きるミスマッチです。
そのようなミスマッチを起こさないために、組織の現状を客観的に理解し、目的を達成するための手順を計画しなければなりません。やりたいことを実現するという欲求が強く働くと、現状を分析する手間を軽んじてしまいます。また、自分の業務なので知っているつもりになっていることも多いのです。客観的な評価は訓練を積めば組織内でも可能ですが、慣れるまでは外部の力を借りることが最短で目的を果たすことにつながってゆきます。